海外不動産投資としてシンガポールやタイなど、東南アジアの物件が人気となっていましたが、近年ではアフリカも注目されています。
アフリカといえば、自然豊かな国々が多く、不動産はおろか、街さえも発展していないと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、近年ではアフリカの経済発展と共に、不動産投資も人気が高まりつつあります。
そこで今回、アフリカでの不動産投資について、注意点からその方法までご紹介します。
海外不動産投資を検討している方は是非参考にしてみてください。
Contents
なぜアフリカ不動産が人気なのか
アフリカでの不動産投資と聞いてもイメージがつかない方も多いのではないでしょうか。
ここではアフリカで不動産投資を行う魅力を3つ紹介します。
- 人口増加が目まぐるしい
- 産業革命が見込まれる
- 中国企業の進出
人口増加が目まぐるしい
損保ジャパン日光興亜損保の「アフリカ経済の長期成長とパン・アフリカ株式ファンドの魅力」のデータでは、アフリカの人口は2017円時点では、45億人でしたが、2050年には53億人に到達すると推測されています。
日本では人口減少が懸念される中で、アフリカの人口増加数は、世界上位10カ国中、7カ国も占める予想にもなっており、中国・インドに次ぐ第三位になる想定です。
若年層の拡大が大きく、避妊文化がないことが要因として挙げられます。
人口が増加することで消費や労働者が増え、労働環境を提供する海外企業も出店し、国内総生産も向上することから、それに比例してアフリカでの賃貸需要も高まると推測できます。
産業革命が見込まれる
アフリカといえば大草原と動物がいる環境と思われがちですが、近年ではスマホの普及や鉄道の開通、大型ショッピングモールの建設と、日本の代わりのない環境に整いつつあります。
もちろん国や地域によって格差はあり、発展途上国も多いですが、今後道路の整備や鉄道の増加、ITインフラも普及してくることでしょう。
南アフリカ共和国ではプール付きの住宅が立ち並ぶ高級住宅地もあり、先進国と何ら変わりない生活ができる時代も近いです。
中国企業の進出
中国は2000年頃からアフリカ諸国と深いつながり持ち始めました。2015年には「中国・アフリカフォーラム」が開催され、アフリカ諸国へ600億ドルの融資援助を発表しました。
さらに中国は「産業促進」「インフラ相互接続」「貿易円滑化」「健康・衛生」などの分野での協力を実施することを約束しました。
現在では多くの中国企業がアフリカに進出し、労働環境の提供や岐に病院の建設など、多岐にわたる支援を行っています。
その結果、アフリカ諸国の国内総生産(GDP)も順調に上昇傾向にあり、2020年から2050年には約5.7倍にもなると言われています。
今後中国企業だけでなくアメリカやヨーロッパの企業も進出する可能性も高く、国内だけでなく、海外企業の人たちの住居も必要となるため、不動産物件も増加傾向にあるでしょう。
アフリカ不動産投資で注意すること
今後の需要が見込めるアフリカですが、不動産投資で注意すべき点を3つ紹介します。
- セキュリティ面に不安がある
- 建築中で明確な金額がわかりにくい
- 取扱いしている金融機関が少ない
セキュリティ面に不安がある
アフリカには貧困層も多く、治安の悪さは払しょくしきれません。投資する物件のセキュリティが万全であっても、強盗や泥棒などの事件は後を絶ちません。
南アフリカ最大の都市であるケープタウンには、ヨーロッパから移住している人も多くいます。街全体は大きく発展しているものの、毎日のように事件が発生し、相当のセキュリティ強化が求めらます。
アフリカで不動産投資を行う場合は、どのようなセキュリティを兼ね備えた物件であるのか見極める必要があります。
建築中で明確な金額がわかりにくい
アフリカの投資物件はまだ建築中の物が多く、明確な金額がわかりにくい状況です。インターネットで調べてみても物件の詳細が記載されていない場合も多いです。
また、一般向けの販売事例が多くないことから、相場価格も定まっておらず、物件によって価格が大きく異なります。つまり、利回りが計算できないということです。
しかし、アフリカの不動産を取り扱っている不動産会社に聞くことである程度は解決できます。
日本にも取り扱い不動産会社はたくさんあり、現地に行かなくても物件のイメージや立地環境等を教えてくれます。
取扱いしている金融機関が少ない
アフリカのみならず、海外不動産投資への融資は対象外としている金融機関が多いです。
不動産投資を行う際には金融機関からのローンを利用する方は多いと思いますが、融資を受けたい場合は事前に確認が必要です。
日本の金融機関が海外不動産投資に対応しているケースもありますが、アフリカの地域に対応しているかは、金融機関によって異なります。
また、日本の不動産投資ローンの金利より、海外不動産投資の方が高い傾向にあるため、アフリカに投資しても日本の金利水準で借りられるか、条件面も十分に確認する必要があります。
まだまだ海外不動産投資でローンを受けられるチャンスは限られているのが現状です。現状、アフリカ不動産は現金で買える方が中心になるでしょう。
アフリカ不動産に投資する方法
アフリカでの不動産投資の注意点を紹介しましたが、ここでは購入までの流れについて解説します。
そもそも日本人は購入できる?
日本人の購入は可能です。アフリカでは外国人または外国企業が不動産取得することに対し規制を設けていません。
規制が設けられているケースでは、たとえばインドネシアで不動産投資を行う場合、インドネシア人もしくは、インドネシア人を代表とする法人を設立しなければいけないなどの規制があります。
しかし、アフリカの不動産投資には現時点では規制がないため、どの国の人でも購入可能です。ただしいつ規制が入るか分からないため、常に情報収集しておく必要があります。
物件情報の調べ方とは?
現在アフリカで販売されている物件の多くは、コンドミニアム、ヴィラなどが多いです。近年では土地の売買も多く取引されており、新築マンションを建築する予定地もあれば、商業施設の開発地などもあります。
しかし、取扱いしている物件は不動産会社によって異なります。どのような物件があるか知りたい方は、株式会社BEYOND BORDERSが運営している海外ポータルサイト「SEKAIPROPERTY」に会員登録することで閲覧できます。
またアフリカに特化した「東アフリカ通商株式会社」では不動産投資だけでなく、魚介類の輸入業務、環境・教育事業の支援も行っており、現地の経済状況や市場にも詳しい特徴があります。事務所も渋谷に構えているため、直接物件情報や周辺市場を聞きに行ってもよいでしょう。
海外投資物件を対応している不動産会社へ問合せ
アフリカの不動産に興味をもった後は、海外不動産投資を対応している不動産会社へ問い合わせしましょう。
実際に店舗に足を運ぶなどして、以下の項目等を確認しましょう。
- どのような物件があるのか
- 価格帯と利回りはいくらか
- 不動産市場はどのくらいの規模か
- 入居者ターゲットは誰か
- おすすめの金融機関はどこか
海外不動産投資を専門にしている不動産会社は、物件の情報だけでなく、マーケット状況や銀行の融資姿勢なども把握しています。
物件を見定めるためにも、あらゆる情報を取得し、投資するか判断しましょう。
現地のエージェント打ち合わせ
海外不動産に投資する場合は、現地確認をおすすめします。
過去に海外不動産を購入したものの、架空物件、つまり詐欺だったという事例もあります。詐欺までいかなくても、物件のマネジメントが行き届いておらず、高給住宅なのに外壁がボロボロで、実際に見てみると「誰が住むの?」みたいな物件を買ってしまったというケースもあります。これらのトラブルは、購入する物件を事前に確認しなかったことが原因です。
投資する不動産を確認する際は、現地のエージェントが物件の案内を行ってくれます。基本的には英語対応となるため、不安な方は日本から通訳を連れて行くか、現地で信頼できる仲介人を頼ることをおすすめします。
物件の管理と送金方法は?
購入前に気になるのは「物件は誰が管理する?」と「収入はどのようにもらえるの?」ではないでしょうか。
物件の管理は、現地の不動産会社が管理・募集・仲介などを行います。アフリカ問わず海外の不動産管理は、現地のエージェントが行うことが一般的です。
購入する窓口となった日本の不動産会社が、提携している現地エージェントを選定してくれます。もちろん不動産会社によって異なるため、購入前に確認しておきましょう。
また、家賃送金に関しては、現地の銀行から中継銀行を経由して日本の銀行に送金するのが一般的です。
現地の銀行と日本の銀行が業務提携していれば手間もなく送金可能です。しかし業務提携している銀行も少なく、現地の銀行口座を作成したとしても日本で対応していないケースも多いため、中継銀行を経由して送金が行われます。中継銀行は購入時の窓口でもある日本の不動産会社が、業務提携している会社を指定するケースが多いです。
また、送金の頻度も確認しておきましょう。海外不動産投資の場合は家賃の振込は国際送金となりますが、送金手数料を節約するために、家賃の送金は数ヶ月まとめて行われることも多いです。
気に入ったら購入
物件の確認や管理方法を確認し、購入する意思が決まった後は、日本の不動産会社へ連絡し購入手続きを開始します。
ただし、金融機関のローンを利用して購入する場合は、契約前に融資の承認を得ておくことをおすすめします。
万が一融資が通らないまま契約してしまった場合、現金で支払うか、もしくは解約時に違約金などが発生する可能性もあります。
その条件も含め、購入時に必要な書類や費用を事前に不動産会社へ確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、アフリカ不動産投資について解説してきました。
今後も人口増加と経済発展が見込める地域であるからこそ、世界各国から注目を浴びています。
日本ではまだ認知度が高くありませんが、アフリカ不動産を取り扱っている不動産会社も増えてきています。
物件の売買が増えれば融資してくれる金融機関も増えてくるでしょうから、海外不動産投資を行いたい方は、是非アフリカでの投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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